和服

大学教授である大河内の夫人として何不自由なく暮らす緋沙子。対して以前大河内の女であった朱美は、嫉妬にも憎悪にも似た感覚で緋沙子を奴隷のように扱っていた。「あなた娼婦になりなさい。男たちにここで抱かれるの。」最初に呼び出されたのは、パーティで出会った和雄であった。緋沙子夫人に想いを寄せていた和雄は、朱美から彼女を救い出す事を約束する。しかし待ち合わせの日、緋沙子は既に捕らえられ、真っ暗な蔵の中で男たちに次々と陵辱されていた。朱美に選択をせまられ自ら緋沙子のもとへやってきた和雄であったが、暴力を受ける苦痛と、興奮し声を上げる緋沙子の姿を見せつけられる屈辱に耐え続けなければならなかった・・・。 ／ 団鬼六 幻想夫人

浪江の夫・克彦は、亡くなる前に六通の遺書を残していた。一通は妻・浪江に宛てたもの。残る五通は、“アザミの会”メンバーへ。“アザミの会”それは、不能であった克彦が、妻に女としての悦びを与えてやれなかったという、遣り切れない気持ちが思い起こさせた悦楽の儀式を行う集い―。 ／ 団鬼六 異常の季節

昭和初期。腕前と美貌で賭博師として隆盛を極めていた女侠客・お駒はそれゆえに妬みも買い、地元やくざの石岡組を敵に回していた。ある時、石岡組は、敵対していた西村組の親分を殺してしまう。西村組の残った子分どもは皆、石岡組に寝返る始末、さらに石岡組は最後まで抵抗していた西村親分の一人娘雪代を監禁した。西村親分に大恩あるお駒は、雪代が嬲りものにしていると知らされ、救出すべく女郎屋に向かうのだが、待ち受けていたのは凄惨な責めと恍惚・・・。 ／ 団鬼六 縄と肌