女医肉奴隷

恋人の同僚医師から結婚を迫られている女医の久美。しかし、彼女に想いを寄せる看護婦のりえが、久美にそっくりな女性が激しく絡み合う裏ビデオを恋人に渡してしまう。

身に覚えのない久美は、自身の潔白を証明するため、裏ビデオの出所を探り始める。

久美はビデオの相手役だった男と出会うが、男はビデオの女が久美だと断言。

さらに、ビデオの女は久美ではないと判明するも、久美自身が「もしやビデオの女は自分なのではないか」という疑念にとらわれ始める。そして、彼女は次第に自ら性の世界に身を投じていく。


麻生かおり：浅井久美（女医）
高橋靖子：杉田りえ（看護婦）
中原潤：北見常彦（久美の恋人）
田村寛：鳴海
江藤漢：桐野
中丸新将：石岡
大林丈史：岡田
関麻里子：ビデオ撮影中の女
健明治：ビデオ撮影中の男

主演の麻生かおりは、当時の日活ロマンポルノで活躍していた女優で、本作は「肉奴隷」シリーズへの2度目の出演となります。また、看護婦役の高橋靖子も、物語の中で重要な役割を果たしています。


主演女優の変更：当初、主演は当時の日活の人気女優だった赤坂麗に決まっていたが、彼女の意向で急遽変更となり、成長株だった麻生かおりが主演を務めることになった。

「肉奴隷」シリーズ：本作は『制服肉奴隷』『令嬢肉奴隷』『美姉妹肉奴隷』に続く「肉奴隷」シリーズの第4作にあたる。

監督：監督は、前作『美姉妹肉奴隷』も手掛けた藤井克彦。


テーマ性：自分そっくりの女が裏ビデオに出ていたことから、人生が大きく狂っていく女性を描いた作品。

ポルノ映画でありながら、ヒッチコック的な不条理さや、主人公が性の世界に堕ちていく中で自己を見つめ、自立していくというアンモラルな女性映画としての側面も評価されている。

映像美：主人公が鏡やマジックミラー越しに性行為をするシーンなど、藤井監督のエッセンスが詰まった映像表現が特徴的。ビデオモニターが映える麻生かおりの存在感も評価されている。

賛否：ストーリー展開については、「よく分からなかったけど面白い」という意見から、「話が苦手」「つらめ」といった意見まで、観る人によって評価が分かれている。


『女医肉奴隷』が公開されたのは1986年。これは日活ロマンポルノが終焉を迎える時期にあたる。

ビデオデッキが一般家庭に普及し始め、レンタルビデオや裏ビデオといったものが身近になってきた時代背景が、物語の重要な要素として取り入れられている。

作中で裏ビデオの存在が物語のきっかけとなっており、時代の変化を捉えた作品と言える。

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