紅閨夢
谷崎潤一郎の「過酸化マンガン水の夢」「柳湯の事件」を武智が脚色、監督。当時エロス表現が大きな話題に。八月の暑い日、作家・民野は、妻と妹を連れてヌード劇場へストリップを見に行く。「晶子抄」に主演する小柄な色白の美人・晶子に、民野はいっぺんで好感を持つ。その後、帰りに中華第一楼に寄り油っこい料理をつついた三人だったが、以前レッドビーツの食べすぎで、水洗の水が過酸化マンガン水のように赤く染まった話をして、民野は妻にたしなめられる。次に、民野は、舞踊の会へ行く妻たちと別れて、評判になっている映画「浴槽の魔女」に脚を運んだ。貧しい絵描きが、美しい芸者を女房にしたが糖尿病をわずらい、妻に満足感を与えられないコンプレックスから女房を裸にして、墨汁を身体につけて、カンバスのうえをひきまわす。更に、昼間銭湯に行った絵描きが、湯舟の底に女房の生霊が横たわっている幻覚におびえるというエロティシズムあふれた映画であった。民野は、映画の中の芸者、主演の柳美那のむっちりとした、白い肌に、強く惹かれた。再び妻と妹に落ち合った民野は、関西料理を腹いっぱい食べた。ボタンハモの白身をつつきながら、映画の中の、女の白い腹部を思い出していた。その夜、妻が夢にうなされるそばで、晶子と映画の中の芸者の裸身があやしく交錯する艶夢を見る・・・。(C)川口秀子/彩プロ / 紅閨夢
2023.01.01
HD(ハイビジョン)お宝映像ドラマ和服川口秀子彩プロ成人映画武智鉄二